タラートサオの隣にあるラオス国防省と道を挟んだ商店が立ち並ぶ通りの一角に「ティンの朝食屋」さんがある。早朝から元気いっぱいの笑顔で、来るお客さんを皆幸せな気分にさせてくれるビエンチャンの朝顔ティンさん。今年で30年を迎えた味でビエンチャンの朝食を支えている。
笑顔でいれば楽しいし幸せ
ーこのお店を始めたキッカケは何ですか?
キッカケは、今の主人と結婚したことですね。もともと主人のお母さんがベトナムの麺フォーとバンクアン(米粉を水で溶きクレープのように広げ蒸し上げ、挽肉などを包む大衆食である)を売って生計を立てており、12人兄弟姉妹の長男であった主人がそのビジネスを継ぐことになったのが始まりです。1980年に主人のお母さんがお店を開いてから今年で30年になります。お店の場所を変えても、その頃の常連さんがわざわざ朝早く足を運んで食べに来てくれています。とても有難い事です。以前はドンパラン通りで同じように朝食を作っていました。ドンパランでは7年間やっていました。そして、2年前に今のこの場所にお店を移しました。
場所を変えてもこの味を求めて毎日のように来店してくる常連さんたち。そして、その味を変わらず守り続けるティンさん。ローマは一日にして成らず、長い間の努力の積み重ねの上に今の味があるんですね。
ー営業時間を教えて下さい。また、混み合う時間帯は?
朝は毎日6時から営業をしています。お店を閉めるのは大体お昼の1時~2時位です。また、その日の準備した食材がなくなればそこでお店を閉めます。混み合う時間帯は、出勤前の朝8時位と昼食どきの11時~12時頃です。
ー仕込みなど時間が掛かりそうですが、何時に起きていますか?
仕込みに2時間以上掛かるので朝3時~4時には起きていないと間に合いません。従業員が全員で6人居るのでみんなで起きて朝早くから仕込みをしています。
朝3時4時に起きて仕込みをするとは大変!!また6人のスタッフも一緒に一つ屋根の下で生活しているので、もう家族同然の存在なんだとか。お店の温かくなんか懐かしいような雰囲気は、このせいなのかもしれません。
ーお店で一番の売れ筋と主なメニューを教えて下さい。
一番よく売れるのは、カオピヤック・カオ(ラオスのお粥)とバンクアンです。あとは、カオチーカイダオ&シンマイ(フランスパンと半熟目玉焼き&肉団子のセット)、カオピヤック・セン(鶏がらベースの米粉麺)、カオチーパテー(バゲットのサンドウィッチ)などが主なメニューですね。あと、飲み物はラオスコーヒーやサーマクナーオ(レモンティー)などがよく売れます。またホットジャスミンティーは無料でサービスしています。
ホットジャスミンティーは、食事をしなくても無料でサービスしている。メニューが少なくシンプルなので迷わないと思ったら大間違い。湯気が立ち上る中で朝からヨダレを垂らして、あれもこれもと食べたくなってしまう。
ー最後に、読者の方に一言お願いします!
是非、私のお店に食べに来てください。バンクアンは、結婚式や各種パーティーにデリバリーもしているのでどうぞ宜しくお願いします。いつもハッピー、スマイルでご来店をお待ちしてます!
笑顔でいれば楽しいし幸せになれると語るティンさん。取材の途中にもお客さんに「ティンさんは、いつも笑顔だね。」と言われて、ティンさんは「いつも笑顔よ!もっと笑ってあげる!」と溢れんばかりの笑顔で返していました。ティンさんは、ハッピーとスマイルを言うときはグーサインを顔の前に出しながら言っていました。明るく陽気な人柄が溢れていて本当に一緒に居るだけで元気をいただけました。取材のご協力本当にありがとうございました。
さて、今回は迷った挙句カオピヤック・カオ、バンクアンカオチーカイダオ&シンマイの3つも頼んでしまい、どれも美味しくぺロッといただきました。オススメのバンクアンの生地はとっても柔らかく、ピリ辛の甘酸っぱいソースにつけて口に運ぶとそのフワッとした柔らかい食感に、中に包まれた挽肉と香草の香りが広がり、頬っぺが落ちそうに。
是非、早起きをしてティンさんの笑顔と一緒にラオスならではの朝食に舌鼓を打ってみてはいかかでしょうか。
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